ネット販売の光と影

インターネット通販の隆盛

私たちがリアルな店舗で買い物をするためには、その店舗に足を運ばなければいけません。実際に店舗でそのアイテムをじっくりと見て、検討して、時には値段の交渉をして「買う」のです。

私たちの「購買」という行動には物理的な限界があるのです。実際に何かを買いたいときはさまざまな「熱」があります。「それ」をもうよく知っているから、すぐに買いたい。どのようなものかわからないから、「それがどのようなものが知りたい」、そしてその上で気に入ったり条件があったりしたら買いたい、今すぐ欲しいし、ただ予算が限られているから「価格を比べたい」というようなことです。

そのようなことは半ば無意識のうちに判断されています。たとえば喫煙する人であれば日々「タバコ」を買うと思います。人にもよりますが、だいたい「吸うタバコの銘柄」というものは人によって決まっているものです。そのタバコがどんな味か知っていて、いつも愛飲しているので「どこで買ってもいい」のです。そしてタバコは販売店によって値段が違うということはありません。どこで買っても同じ値段です。だったら、最短で入手できる方法で買うものです。つまり、タバコは近くの販売店で買うのです。

インターネット販売に向いているのはこの「タバコ」のようなものではありません。「このようなものが欲しいけれどどんなものがあるんだろう」というニーズの人に対して、「そのようなものがあります、そしてここで買うことができます」と提示することができるものです。たとえばパソコンなどのデータ、現在ではテレビなどの録画データを保存することができる「ハードディスク」にはいろいろなものがあります。原理は変わらないにしても、各社さまざまな付加価値を搭載したものを販売しているのです。パソコンのタイプによっても合うスタイルというものは違ってくるでしょう。ハードディスクなどのアイテムはタバコのように頻繁に買うものではありません。どうせ買うならば「安くて良い物」が良いのです。だから「探す」のです。自分の持っている要件を満たすアイテムを、探すのです。

その「探す」という行動は、現在ではインターネットが主流です。インターネットで「検索」して、どのようなものがあるのかを探すのです。この、「検索」という行動が、インターネット通販を隆盛させたきっかけです。探せばいろいろなものが出てくる、そしてそのまま買える。そのようなことはとても便利なことです。その「いろいろ」の中に自店舗のもの、自社ブランドのものが食い込むことが出来れば、人に購入してもらえる可能性になるのです。

この「検索」という行為は現在では基本的なインターネットの行動のひとつです。検索結果は検索エンジン独自のアルゴリズムによって都度表示されるものです。私たちはそれらの検索結果を眺めて、自分が必要な情報を得ようとします。この新しい「常識」は、ビジネスに対してさまざまな可能性を与えることになりました。そこに「表示」されれば、とにかく人に見てもらうことができるのです。そこに表示されるだけのWEBサイトの要件を満たしていれば、無名の店舗でも人に買ってもらえる可能性がでてくるのです。インターネット販売と「検索」は、切り離せないものです。