ネット販売の光と影

営業カレンダーは明確に提示する

インターネット販売サイト自体は、365日24時間、サーバーがダウンしない限り稼働しているものです。人が見ることができる状態にあるものです。ですが、それを運営する企業や団体、組織はそうではない場合の方が多いでしょう。

もちろん、大手の販売サイトなどでは休日や祝日など関係なく、常に業務が可能な体制にしているところもあります。ですが、一般的な企業、そして一般的な販売サイトでは、そのようなことは少ないものです。販売サイトを運営しているチームは少数であることも多く、シフトを組んで365日の対応に当たるような場合は少ないのです。事務所が無人であっても、販売サイト自体は開店しているのですから、それはそれでインターネット販売の利点です。オーダーだけは受け取ることができるのです。もちろん、問い合わせなどは受け取ることはできないのですが、ユーザーからしてみればただそれだけのことです。

ただ、大手販売サイトが24時間体制で営業していたりするわけですから、利用者は「問い合わせが通じて当たり前」と考えているかもしれません。そのような際は、こちらが休暇体制であることが伝わっていなければ、「いない」ということに対して「クレーム」が入るかもしれないのです。

さらに、大手販売サイトに「モール」として出店している場合、各モールで問い合わせ対応時間や営業日時が違うことは、私たちにとっては当たり前のことであっても、お客様にとってはそうでない場合もあります。楽天市場などの「明らかにモールである」とわかるようなサイトの場合は、店舗のデザインなどの「つくり」が違います。ですから、それらのモール毎で問い合わせ方法や運営体制が違うのは納得がいくのですが、問題はamazonです。amazonでは、モールで出店、出品していても、amazonの在庫をamazonが販売していても、ページの見た目が変わりません。それは楽天とamazonのサイトのポリシーの違いがあるからです。

amazonは表示するすべての商品を同じ見せ方にしています。それはamazonで参照可能な、膨大な商品を極力効率的にユーザーに見せるためでもあり、同じクオリティでさまざまな情報を提供したいからです。モールから出品されたものも、amazonが販売するものも、一見しただけでは見分けがつきません。細かい文言で、「誰が発送するのか」ということがわかるだけです。これがユーザーの混乱を招いているのが原因です。「翌日に届くのではないか」と思うのです。ただ、明示しようにもamazonではフォーマットが定まってしまっています。ですから長期の休暇などに入る際には、amazonでの出品自体を取り下げる店舗もあるほどです。

自社サイトや楽天サイトでは、これらの「問い合わせが出来ない期間」、「出荷が出来ない期間」を明示することができます。それをユーザーに理解してもらうことで、少しでも問い合わせの負荷を軽減したり、ユーザーの混乱を避けたりすることができるのです。インターネットは画面を通じて情報を伝えることが大前提です。こちらが「当たり前」と思っているようなことでも、相手にとっては「当たり前」ではないということ、それが実感できるのがインターネットを用いたコミュニケーションです。情報は「書きすぎ」ということはないのです。