ネット販売の光と影

誰でも「店長」になれる時代

ネット通販で成果をあげることは容易ではありません。「モノを売る」ということは、表面的な言葉以上に難しいものです。そして、その売り上げに「責任を持つ」ということはさらに難しいのです。

私たちは、自分がモノを買う時には厳しい基準があるものです。それはもしかすると「気分」もあるかもしれません。「お金」は生きていくために絶対必要なものですが、そんなお金の使い方は人それぞれです。「買ってもらう」ということは、「お金の使い方」のひとつに加えてもらうということです。

現代は厳しい時代ではあります。「お金を稼ぐ」ということは容易ではないのです。お金を稼ぐためには人それぞれ相応の努力が必要で同じお金でも人によって価値が違うのです。人によって価値が違うお金であるから、私たちは自分なりの使い方をするのです。自分にとって唯一の価値を、探すのです。「売る」ということはそのような「価値」を提供することです。人によってそれぞれ違うものの価値を、提供することなのです。

だから「売る」ということは難しいのです。「これはお得だ」と、販売側が考えたとしても、受け手側はそうは思わないものです。明らかに市場価格よりも安いものでも、人によっては「要らない」と感じるかもしれないからです。「要らない」ものにお金は一円も払えないでしょう。それはいくら安くても「売れない」のです。

インターネット通販の店舗は、現在ではとても沢山あります。さまざまな店舗が、それぞれテーマを持って販売活動を続けています。それぞれ目指すべきビジネスがあり、それぞれ自信を続けてもって価値を届けているのです。そのような取り組みをずっと続けることが仕事であり、終わらせてしまっては、ビジネスは成り立たないものなのです。

「店長」とは、売り上げと運営に責任を持つ人間のことを指します。実際の店舗の店長は、「顔が見える存在」であることが多いものです。ですがインターネット販売サイトの「店長」は、名前が見えることはあっても顔が見えることはありません。顔が見えないということは、ショップとしての取り組みで顧客とコミュニケーションをとるしかありません。コミュニケーションは言葉のやりとりだけではありません。店舗としてのサービス、価格、サイトデザイン、文章表現など、すべてを含めて、顧客と接する部分が「コミュニケーション」です。それらのすべてに責任を持つ人、それが「店長」です。

「売り方」にはいろいろあります。少しの工夫で一気に売り上げが伸びることもあります。ひとつひとつは細かい業務であっても、ひとつひとつは細かい作業であっても、それが積み重なってひとつの販売サイトが構築されているのです。ただ「いくつ売れたか」だけではなく、「どのような問い合わせ、どのようなクレームが来たのか」ということまでもしっかりと受け止めて、「人にどのように見られているのか」ということを意識する必要があります。

「店長」は売り上げ責任をもつと同時に、「何を発信しているのか」ということに対しても責任を持つ必要があります。どのようなテーマで、どのようなモノを、それも自信をもって売っているのかということを、誰よりも理解する存在でなければいけないのです。